【非公式】中野駅前盆踊り大会のお知らせvol.4
世間はポケモンGOの話でもちきり。かくいう私も、危険だ危険だと言われながらも家の周りで蝉とかとってる。
というわけで蝉の話。
~コラムvol.4
【豆知識】蝉はオスしか鳴かない
上京して早10年以上経過していることに気が付いた今日、
髪の毛が3本抜けた。鏡の前の中年の始まりを見てため息をつく、夏の始まり。
病院生まれ田舎育ち、入学式は大体大雨でおなじみの私も、すっかり大都会東京に染まってしまった。
地元の純粋でかわいかった幼馴染はこんな変わり果てた私をみてどう思うだろうか。受け入れてくれるだろうか、涙を流して怒るだろうか、それともよそよそしくなって昔のように話すことは出来なくなっているかもしれない。
でもおそらくは、何も言わないだろう、だって私に幼馴染なんていないから。いるのは頭のおかしい、妄想癖のある男が一人。
そんな離れてもいない地元なので、割と帰ることが多い。
東京の荒波に飲まれ、仕事で理不尽な仕打ちにあい、国士無双を振り込み、などなど、もっともらしい理由を付けて帰省することが多い。
本当は洗濯はしてくれるし、料理は勝手に出てくるし、酒は飲み放題だしと、いい大人が寄生しに行っているだけなのだけれど、たまに帰ってくると両親も弟も両手を上げて喜んだふりをしてくれるので、悪い気はしない。
そんな地元と東京の一番の違いを感じるのが夏の蝉の泣く声。
毎年ミンミンやらツクツクホーシやら聞いていたのに、東京じゃあんまいないのか、なんか静かに感じる。
もちろんそれ以外の騒音――電車はひっきりなしだし、娯楽施設は所狭し、街を歩けば逆ナンパされるし――で都会もうるさいのだが、田舎の蝉のオーケストラたるや、限度ってものを知らない。
しかし蝉の気持ちもわからなくもない。幼少期ファーブル昆虫記に一切触れず、カブトムシを見ても逃げ出すレベルの私でさえ、蝉の生い立ちは理解している。暗い地中に数年、やっとの思いで地上に出たと思ったら1週間という、驚異の短命。
これで絶叫し続けない方がおかしい、蝉が県議になったらみんなあんな記者会見やっても同情すると思う。
蝉の鳴き声はここ、東京の中心では聞けなくなってきたけれど、中野あたりなら聞けるかもしれない。聞けなくてもこの夏にかける熱い思いをもった人間の熱気は感じられそう。
...To be cotinued vol.5
去年引っ越して家の裏山で蝉が泣き叫んでいるので、ここは田舎だなぁと思ったよ。