えぶきち学園

いい大人がいい大人とは思えないことをいう

私の命を奪ってきたトイレ問題を振り返る

30年余り生きてきて今まで何度トイレを利用したかわからない。自宅、学校、職場、場所は様々だけれどどれだけウンコしたのかなんて、今まで食べたパンの枚数くらい覚えていないもの。私なんかウンコをするだけの作業しかしていなかったにもかかわらずである。

この夏、ちょっとしたトイレトラブルに見舞われたので、私の体の上を過ぎてったいくつものトイレの思い出を語ろうと思う。

 

小中学校のトイレ


育ちの悪いところであればどこの小中学校でもそうだろうが、私の田舎も漏れなく小中学校で個室を使おうものなら、あだ名がウンコマンになる環境だった。お腹の弱いF君は授業中でも堂々とトイレに駆け込んでいたので、ある種の勇者(と勝手にこっそり呼んで)いた。あだ名はウンコマンだったけど。そんな勇気もない私は人が利用する可能性 の少ないトイレを利用したり、放課後こっそりした。

高校のトイレ


高校は男子校だったが、これくらいになるとウンコマンという低俗なあだ名をつけるのは少数で、堂々とウンコをするようになった。しかし低俗なあだ名が流行ることはな くなったものの、無駄に行動力だけが向上した男子高校生は、容赦なく上部から個室をのぞいたり、侵入を試みたり、流行り始めたカメラ付きケータイで撮影しようとしたり、いったい何が楽しいかわからないイベントが毎日繰り広げられていた。

実家のトイレ


私の実家は私が4歳くらいの頃から住んでいるが、当時としては珍しく最初からウォシュレットがあった。ウォシュレットのある生活が当たり前すぎて、私の肛門はダイレクトペーパーを嫌がる貴族のようなものである。ただ、立地が玄関のすぐ横ということで、便を絞り出す音、快感のあまりこぼれる吐息、苦痛で漏れる嗚咽、その全てが来客者や新聞の勧誘や友人やらに聞かれていたと思うと家を出てよかったと思うばかりである。とにもかくにも何歳ごろから使い始めたかわからないけど、このウォシュレットというやつのせいで私はウォシュレットなしには生きていけない体に調教された。

学生寮のトイレ


f:id:evkitty:20160408122148j:plain 私に和式便所の素晴らしさを教えてくれたのは今は取り壊されたが、学生時代に過ごした学生寮のトイレだろう。それまでウォシュレットで洗われたぬるま湯人生だった私を、昭和へとタイムスリップさせてくれた。用を足してみるとなかなかどうして踏ん張りがきいて普段よりも絞り出せた気がした。けれど、用を足している姿があまりに間抜けで落ち着かないので、だいたいは近所のパチンコ屋かコンビニで済ませた。パチンコ打たずにトイレのためだけに行ったこともあった。パチンコ屋にはゴト行為禁止とか張り紙があったが、ゴトがウンコのことだったら怖いお兄さんに事務所に連れていかれたかと思うと便意がひっこむ。

コンビニのトイレ


前述の通り、コンビニのトイレを第二の我が家と呼んでいた時期に事件は起こった。いつもの通り用を済まして、これだけで帰るのは毎度申し訳ないという気持ちから、店内で一番安いものくらい買って帰ろうと駄菓子コーナーを物色しようとすると今の言葉で言うところのリア充なグループがやってきて、そのうちの一人が、「ウンコしてくるから待ってて」とか言う。嫌な予感がした私は一目散に店を後にしようとしたが、遅かった。店内に、響き渡らん音量で「くっせー、死ぬ」とか言うのである。店内は大爆笑に包まれていたが、私の心とトイレに入った彼が死んだ。

パチンコ屋のトイレ


f:id:evkitty:20160408122508j:plain 社会人になってはじめての独り暮らし。物件を見るセンスもない私は交通の便だけをみて部屋を決めた。決めてから気付いたのは、私の譲れない部屋選びのポ イントは交通の便ではなく、肛門の便だったこと。選んでしまったものは仕方ない、学生時代と変わらずコンビニとパチンコ屋のトイレにお世話になっていた。ある日入ったパチンコ屋のトイレで私は地獄のようなおぞましい出来事に遭遇したのである。普通に用を足しウォシュレットでこの世の全ての穢れをながし終わったはずなのに、ウォシュレットが止まらない。どのボタンを押しても止まる気配がない。唯一反応するのは強と書かれた悪魔のボタン。止まるどころか勢いを増すその水流は最早破(れる肛)門を告げる悪魔の如し。

新幹線のトイレ


これが最近のトイレトラブルなのだが、新幹線に乗る議会がありテンション高めに馳せ参じた東京駅。ただ遠出ということで時間がなく家で満足に踏ん張れずに乗車してしまった。とはいえ新幹線にもトイレはあるわけで、まぁそこまで心配に及ばないだろうと思っていた。出発前から先客がいきんでいたトラブル はあったものの、自分のお腹も若干の余裕があり、様子を見てから個室へと向かう。新幹線のトイレってウォシュレットこそないもののそこまで汚くもなく心地よいウンコクリエイトタイムを送れるはずだったが、便座がところどころ濡れていた。前任者が事を済ませた後、実は別の人間が割込小便をしていたのか。幸運にも抗菌ペーパーが完備されていたので何枚も使って頑張ってきれいにして着座した。すると、真夏というのにひんやりとした感触が私の臀部を覆い、そのままスポンと私の下半身を吸い込んでいった。その時ようやく気が付いたのだが、私が一生懸命拭いていたのは便座ではなく便器で、私は便器にダイレクトで腰かけちゃった。私の便意は新幹線よりもはやく通り過ぎていき、人間の尊厳を失った気分の私はずっとトンネルの中にいた気分だった。

 

 

このようにトイレというのは様々なドラマを生み出す現場であり、命の危険を孕んでいるので、みなさまも命がけでウンコしてほしい。